
こんにちは、米国在住の投資家ブロガーのhiroです。(@hiro_investudy)
ここ数年で注目を集めている「F.I.R.E (Financial Independence, Retire Early)」というムーブメントをご存知ですか?本ブログではFIRE達成を目標に、できるだけ分かりやすく投資とお金について勉強できる情報を発信していきます。投資の初心者の方向けに、株や債券、ETFや投資信託についてもまとめています。
「働かないで生きていく」、つまり「自分が働かなくても所得が得られる(=不労所得が得られる)」状態をどのようにすれば作ることができるのか?を読者のみなさんと一緒に勉強していきたいと思います。
今回は、いざ投資を始めようとした時によく目にすることになる「ETF」「投資信託」「インデックスファンド」という用語について分かりやすく整理したいと思います。私も勉強をはじめた頃は、これらの用語が似ていてどう違うのか理解できておらず混乱していたので改めて整理しておきたいと思います。
これまでの記事で、「FIREとは何か?」「FIREするための準備や方法」「米国株への投資」について解説してきましたが、投資の基礎用語も正しく理解しながら投資に関する知識を増やしていくお手伝いができればと思います。
- これから投資を始めようとしている方
- 「ETF」「投資信託」「インデックスファンド」といった投資用語の違いを正しく理解したい方
ETFも投資信託も「投資信託」
まずはじめに、「投資信託」についてお話します。
投資信託とは、資産運用のプロ・専門家が投資家から運用資金を集めて、投資家に代わって資金を運用し、そこで得られた利益を投資家に還元する、という金融商品のことを指します。利益は全て投資家に還元されるわけではなく、資産運用会社が利益の一部を信託報酬(手数料)として差し引くことでビジネスが成立しています。
ここで言う「投資信託」とは、投資家から資産運用の信託を受けて投資家に代わって資産を運用する、という大きな概念のことです。
「ETF」も「(金融商品のタイプとしての)投資信託」も、どちらも「(資産運用を信託する)投資信託」となります。
ここが少しややこしいですね。。。ここからは金融商品のタイプとしての「ETF」と「投資信託」の2つについて説明します。
ETFとは
ETFとは、Exchange Traded Fundの略で、日本語では「上場投資信託」と言います。その名の通り、「投資信託」との違いは上場しているかどうか、です。
「ETF」は上場している投資信託ですので、株式と同じように証券会社を通じて証券取引所で売買の注文を出すことができます。一方、「投資信託」は上場していません。
これまで紹介してきたような「S&P500」、「ダウ平均株価」、「ナスダック総合指数」、「日経平均株価」、「TOPIX」といったさまざまな経済指標に連動するように運用されるものが一般的です。また、こうした経済指標だけでなく、「金」「銀」「銅」「プラチナ」や「石油」、「トウモロコシ」などのコモディティの値動きに連動したETFや、「不動産」「太陽光発電」といった特定の業種・業態の市場トレンドに連動するように運用されるETFなども存在します。
ETFは株式市場で取引されるため、取引単位が決まっていておおよそ数千円〜数万円単位の場合がほとんどです。数百円単位から購入可能な投資信託と比べると単位が大きいです。
一方で、信託報酬、つまり、ETFを保有していることで発生する運用手数料は、一般的に投資信託よりも安く、約0.03%〜0.2%程度です。また、信託報酬の他に購入時・売却時に売買委託手数料がかかります。
また、ETFは保有していることで、運用実績に応じて定期的に分配金(配当金)が支払われます。余談ですが、株式の売買によって得られた差額の利益のことを「キャピタル・ゲイン」を呼び、分配金のように資産を保有することで定期的に得られる利益のことを「インカム・ゲイン」と呼びます。海外ETFの場合は四半期毎に分配金の支払いがあることがほとんどです。S&P500 ETFの平均的な配当利回りが1%〜2%程度なのに対して、4%〜5%もの高配当を出すETFも存在しています。
ETFには、国内ETFと海外ETFがあり、国内ETFは取引が円建てで、海外ETFではドルやユーロなど外貨建ての取引となります。海外ETFに投資する場合は、運用時に為替リスクも同時に発生することに注意してください。
もう一つ、ETFで注意が必要な点としては「自動積立ができない」ことです。ですので、毎月定額で購入し続けようとする場合は、自分で買い増しする必要があります。特に、複利の力を最大化するためには定期的に支払われる分配金も再投資していくのがおすすめです。SBI証券の米国株式・ETF自動買付サービスを利用すれば、定期的に積立投資することができますので興味のある方はチェックしてみてください。
ところで、先ほどETFは指数(インデックス)に連動して運用されることが一般的、とお伝えしましたが、こうした特定のインデックスに連動した資産運用を目指すことをインデックス運用(パッシブ運用)と言います。インデックス運用をしている投資信託のことを「インデックスファンド」と呼びます。また、インデックス運用の成績を超える運用成績を目指すことをアクティブ運用と言い、アクティブ運用をしている投資信託のことを「アクティブファンド」と呼びます。
一般的に、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりも信託報酬が安いため、信託報酬コスト分も含めて利益計算すると、インデックスファンドの方がアクティブファンドよりも最終的によい結果になることが多いため、インデックスファンドへの投資をおすすめしています。
なお、日本では「投資信託及び投資法人に関する法律」によってETFはインデックス運用でなければならないため、国内ETFはインデックスファンドとなっています。一方、海外ではアクティブ運用型のETFが登場し始めており、ARKインベスト・マネジメント社が提供するARKK ETFなどが有名です。
ARKインベスト・マネジメント社はキャシー・ウッドCEOが率いる資産運用会社で、”破壊的イノベーション”をもたらすテスラをはじめとしたハイテク株銘柄を中心にポートフォリオを組んだETFをいくつも運用・提供しています。2014年に設立して以来、急成長を遂げていますが、2021年に入ってからは調整局面に入っています。個人的には今は一時的な停滞と見ていますので、今後の成長を期待しています。
投資信託とは
投資信託は、ETFとは異なり上場していませんので、購入・売却を証券会社や銀行などの窓口で依頼します。窓口と言っても実際に店舗に行ったりせずとも、オンラインで指示することも可能です。投資信託は、注文する当日には基準価額(売買する金額)が公表されておらず、注文した翌営業日(投資信託によっては数営業日以内)に公表されます。投資信託の基準価額はリアルタイムに変化せず、1日に1つの価格に限られています。
基準価額が投資信託の取引の申込を締め切った後で公表されるので、当日の基準価額が分からない状態で投資信託の売買をしなければなりません。これを「ブラインド方式」と呼びます。これはなぜかと言うと、基準価額が公表された後に売買できてしまうと、すでに投資信託を保有している投資家の利益が損なってしまうためです。
投資信託はETFと比べると、その種類は圧倒的に多いのが特徴です。これはETFが証券会社しか取り扱えないのに対して、投資信託は証券会社だけでなく、銀行や郵便局と言った金融機関も提供できるからです。ETF同様、株価指数やコモディティなどさまざまな指数に連動するインデックスファンドが存在します。
また、先ほど説明したように、インデックスファンドだけでなくアクティブファンドも存在するためバリエーションが豊富になっています。投資信託を購入する際には、アクティブ運用ではなくパッシブ運用(インデックス運用)のものを選ぶように運用タイプにも注目しましょう。それぞれの信託報酬(手数料)を比較してみるとパッシブ運用の商品の方が安いことがお分かりいただけるかと思います。
信託報酬はETFと比べると若干高く、約0.1%〜0.6%程度となっています。ETF同様に購入・売却時には売買手数料がかかりますが、最近ではノーロード(No-load)と言って購入時の手数料が無料の商品も出てきていますので、購入する際は比較検討の材料として見ていただくとよいかと思います。
ETFでは定期的に分配金の支払いがありましたが、投資信託では「分配金あり」「分配金なし」の2タイプが存在します。分配金があったほうが嬉しい気がしますが、それぞれに特徴がありますので注意が必要です。「分配金あり」だと、資産を運用中に都度利益を確保することができますが、分配金を配らずに再投資で運用する方が、長期的に見ると複利の力で資産をより増やせる可能性もあるわけです。「分配金なし」の場合は、運用会社の方で利益を再投資してくれますので、長期投資で複利の力が最大化されて、より高い運用成績を上げる可能性が高いです。しかし、売却したい場合に基準価額が購入時より下がってしまっていれば、一切運用益を得られなかったことになってしまいます。個人的には投資は長期的に続けるものですので、定期的に分配金の支払いがなくても再投資により高い運用成績を出してもらう方が良いと考えています。
投資信託の一つの特徴として、ETFではできなかった自動積立が簡単に可能な点です。分配金の再投資も含めて定期的な積立投資が簡単にできますので、はじめての方には利用しやすいかと思います。投資に慣れている方でも自動で積立投資できるのは利便性がとてもよいので、信託手数料の差額が気にならないようであれば、S&P500 ETFに連動する投資信託で自動積立するのも手だと思います。
ETFと投資信託のまとめ
「ETF」と「投資信託」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
最後に「ETF」と「投資信託」それぞれについて特徴をまとめて、比較表にしておきます。
- ETFとは上場している投資信託のこと!
- S&P500のような株価指数だけでなく、コモディティや特定業種のトレンドに連動するETFも存在する!
- 日本のETFは全てインデックスファンド(特定の指数に連動して運用される)!
- 手数料が安い!
- 分配金が支払われる!
- 複利の力を最大化するためには分配金も再投資すべし!
- 自動で積立投資ができず自分で買い増さないといけない!(SBI証券なら可)
- 投資信託は非上場!
- インデックスファンドもアクティブファンドもさまざまあり種類が豊富!(アクティブ運用は手数料が高いので注意)
- 手数料はETFよりも高め!
- 分配金あり・なしの2タイプある!「分配金なし」は運用益を再投資してくれている!
- 簡単に自動で積立投資できる!
項目 | ETF | 投資信託 |
---|---|---|
上場/非上場 | 上場 | 非上場 |
価格 | リアルタイムで変動 | 1日1度決まる基準価額 |
購入単位 | 取引単位が決まっていて数千円〜数万円単位 | 数百円規模の少額から購入可能 |
取引方法 | 証券会社を通じて市場で指値・成行で注文 | 投資信託の販売会社で基準価額から計算された価格で取引 |
信託報酬(手数料) | 安い (約0.03%〜0.2%程度) | ETFと比べると高い (約0.1%〜0.6%程度) |
分配金(配当金) | 実績に応じて定期的に支払われる | あり・なしの2タイプ存在する |
自動積立 | 不可 ※SBI証券の米国株式・ETF自動買付サービスを利用すると可 | 可 |
運用タイプ | 日本国内は全てインデックス運用 ※米国ではアクティブ運用ETFも存在 | インデックス運用とアクティブ運用のどちらも存在 |
前回の記事で、代表的なETFや投資信託の紹介もしていますので、合わせてそちらも参照いただければと思います。
※実際に投資される際は、ご自身の責任と判断でお願いします!
最後までお読みいただいき、ありがとうございました。引き続き、投資の初心者の方向けに有益な情報を発信していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
Have a smart investudy!